若者のための仕事論: 負けてたまるか!‎

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

発売から3ヶ月足らずで第6版ということで、伊藤忠さんの組織票が大量にあると思わざるをえない動きをしていますが、時には本書のようなものを読むべきではないかと思わせる。そんな本です。精神論といえば、精神論かもしれませんが本書が読むべきは20代から30代の層です。上司に対する内容もあるかもしれませんが、現在既に管理職にある人に役立つものかどうかは分かりません。むしろ若い世代が現在の閉塞した環境を打開し、前に進むことこそが重要なテーマとなっており、それを通じてゆくゆくは上司となる。その時にこそ思い出して欲しい内容ではないでしょうか。
若者に対する主張はサブタイトルにある「負けてたまるか!」に収斂されているかもしれませんが、上司・社会に歯向かうほどの気概を大切にして欲しい。若い時には蟻のように働くことも重要だということが説かれています。仕事や勉学が楽しく思えるまで、とりあえず頑張ってみる事が大切です。ただし奢らず、謙虚な精神も忘れないこと。私の上司も言っておりますが他人のせいにせず、自分のせいだと思うことで行動が生まれてくるというのも一理あります。
人間は忘れやすい動物であり、それは役職の有無に限らずすべての人が同様です。本書内でゴルフ場で打つ度毎に打つときの注意事項が書かれたメモを見る人に対して、実践だけに頼っているからそうなるんだ!、それは良くないという事が書かれていますが、そこは反対です。もちろん著者が本の多読に寄ってゴルフに関する理論を構築し、いいスコアが出たから他の人もそうすべき!と思うことは分かります。いいスコアを出す方法・道のりは人それぞれ。どのようなメモなのかはわかりませんが、初心にかえる、再度自分が机上で学んだことを血肉とすべく見直すという意味において特に糾弾すべき事項でもないと思います。
細かい点では色々あるかもしれませんが、全体を通して学ぶこと、再認識させられることは多いと思います。手軽に読めるのでたまにはこのような本に目を通してみてはいかがでしょうか。