マーク・ザッカーバーグ 史上最速の仕事術

マーク・ザッカーバーグ 史上最速の仕事術

マーク・ザッカーバーグ 史上最速の仕事術

マーク・ザッカーバーグという人物がどういう人物であるかを、その発言や行動から記述されたもので、薄い本ながらよくまとまっていると思います。
今ではアジャイルが開発やスタートアップに留まらず、どの分野でも重要視されるようになりましたが、まだマーク・ザッカーバーグがフェイスマッシュやシナプス等を立ちあげている頃には、それほど浸透した考え方ではなかったと思います。そんな中、スティーブ・ジョブズ氏を尊敬し、次々と信念に基づいて行動をおこすところが素晴らしいですね。

本書の中で、マーク・ザッカーバーグ自身は「人」に興味を持っている点が重複して出てきます。それだけ「人」を中心として、「人」の行動をよく観察し、先を読む事、ニーズを満たすこと、ニーズを意識してもらうことに重点を置き、開発を継続してきたということでしょう。

そして、その行動に追加して「これだ!」と成功のポイントを見逃さず、行動してきた。その感性を人生の中で磨いてきた事が重要です。

「まだ世にないものを世に出す時に、アンケートをとっても仕方がない。数字を並べても未来は保証されない。」(本書106ページから引用)

と筆者が書いているが、まさにその通り。異論はあると思うし、現在のアメリカでは簡単なアンケートが「これだ!」という感覚をサポートするツールとして有効であるという風潮も見られてきたのも事実です。

また、Facebookの広告戦略として元Googleシェリル・サンドバーグと何十時間も時間を共にし、採用したという。その彼女がFacebookにおける広告がどういう意味を持つか、Googleと対比して書かれている部分がとても面白いので紹介します。

「グーグルは、ユーザーが購入したいものを探す手助けをすることができる。それに対し、フェイスブックはユーザーが何を購入したいかを決める手助けをすることができる」(本書158ページから引用)

これは、なるほどな!と思いました。個人的には、まだうまく回っているとは思いませんが、今後の広告戦略でも根幹となる概念であることには変りないでしょう。その概念に企業がF-Commerceをどう展開していくのか。そこが注目していくポイントでしょう。

f8やハッカソンなど、Facebookが世界に広め、それは日本へも多大な影響を与えています。既存の巨大IT企業や、有志で日本でも同様のミーティングが開かれるようになりました。今後の展開にも大いに期待します。

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プロフェッショナルの情報術

プロフェッショナルの情報術 なぜ、ネットだけではダメなのか?

プロフェッショナルの情報術 なぜ、ネットだけではダメなのか?

テレビ番組リサーチャーという仕事は初めて知りましたが、正確な把握と正確な情報が求められる。更に、それをプロデューサー等へ伝達する仕方も非常に重要です。
そんなリサーチャーの喜多さんが、普段どのように情報を収集し、まとめ、編集しているかが書かれています。

自分にはちょっとハードルが高く感じますが、どうでしょう?
情報ソースが色々と載っていたり、脚注も詳細に載っていたりしますが、個人的には今回一回サラっと読んだだけなので、リサーチが必要となった時や、まとめ方のヒントを得るためのデータベース的な使い方をしようかと思います。

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マトリックス・マーケティング

水平思考で市場をつくる マトリックス・マーケティング

水平思考で市場をつくる マトリックス・マーケティング

この本は、従来のコトラーはじめブルーオーシャン戦略、ラテラルマーケティングをベースに、更に新しい要素を付け加えた、新発想を促し、成功へ導く素晴らしいマーケティング戦略をサポートするもので、とても良い本だと思います。

コトラーブルーオーシャン戦略を良く知らなくても、本書で概要がわかるようになっており、それを踏まえた著者のLTN戦略(Lateral , Trends , Needs)について理解することができます。
水平思考も従来の考え方から新たなもの、細かく分けて考えるものを提示しています。第1章で著者のLTN戦略について大枠はすべて書かれており、その後はLTN戦略の詳細説明と実際の事例が続きます。
その意味で、机上の概念的な部分と実際当てはめて考えた場合や、概念に対する知識を固めることが出来るようになっています。また、NeedsやTrendsといっても難しい部分についても、例として考えるべきものが提示されていることが、実際の企業人にとって、特に役立つものではないでしょうか。

水平思考については、本書タイトルのマトリックスが用意され、また本書の中では水平思考をさらにシチュエーションで分けて考えるキューブリックが提示されています。
水平思考は現在では一般的なのかもしれませんが、本書から得られるものはとても大きいものではないかと思います。

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次世代マーケティングリサーチ

次世代マーケティングリサーチ

次世代マーケティングリサーチ

マーケティング3.0を意識したマーケティングリサーチ本です。
企業は常に顧客のニーズに答えたいし、常に売上を意識した戦略をたてたいと考えているけれども、ターゲットとなる顧客層、実際商品を買ってくれている顧客とはどのような人でしょうか。
それを知るためにマーケターと呼ばれる人たちは様々な方法をとってきました。従来はアンケートや利用者を募ったミーティング等が主流でしたが、ネットの発達により流れが変化してきました。特にTwitterFacebookのようなWebサービスなど、ネットへの書き込む敷居を下げたサービスだけでなく、ライフログをネット上に放出するようになりました。気軽に投稿できるアプリや文章不要の写真投稿など、その数は日々急激に増加しています。
その流れを受け、企業側でも様々な取り組みが行われ、顧客のニーズの把握に務めています。例えば、個に焦点をあてた把握や企業が主体的に顧客と接したり議論をする場(コミュニティ)を設けたりといった手法です。
ソーシャルメディアを活用し分析するポイントとしては、ブランドポジショニングの把握、インフルエンサーの特定やアイディア抽出などがあります。Twitterでも昨今インフルエンサーを特定し、そのインフルエンサーに対してアクションを起こすという手法が評価されつつあります。会社の規模に応じてその辺りの手法は選択することが出来るでしょう。
また、新テクノロジーに期待することとしては、オフライン上でのユーザーの動き、ニーズの把握やオフラインとオンラインの接点の増加、オンライン上のデータ解析能力あたりでしょう。また、店舗を持っている企業であれば、店舗内GPSあたりを気軽に導入できるようになれば、人の行動を簡単に把握することができて、モノの配置や商品の組み合わせ、セット商品の開発まで活かすことが出来るでしょう。
過去からマーケティング自体の目指す物は変わっておらず、その手段に幅が出来たことくらいです。そのなかでどの手法を選択し、どんなアプローチをするかが最も重要であることには変わりありません。

Design Rule Index[第2版]― デザイン、新・25+100の法則

Design Rule Index[第2版]― デザイン、新・25+100の法則

Design Rule Index[第2版]― デザイン、新・25+100の法則

本書はデザイン本です。
デザインと一言で言っても、工業デザインやウェブデザイン、ユーザビリティなど、様々なものがありますが、そのすべてを網羅しているのが本書。
最新の心理学研究等、論文や本をもとに人がどんな認知、記憶、意識をするかを考え、それが生かされた実例が125個紹介されたものです。数が数だけに2ページで1つ。1ページが紹介で1ページが例示という構成。だから、内容が簡潔に、結論が書かれています。
一方で、その結論から私たちが仕事やプライベート等で、いったい何をしなければならないかは自分で考えなければなりません。ただ、本書に一度目を通しておくと、「そういえば、そんな内容があったな」と思い出すこともあるでしょう。
本書は一度読んだあとは、机に置き、何かデザインで悩んだ時や、人の視線の動き等を調べるときにパラパラめくれるようにするのが良いと思います。

脳に悪い7つの習慣

脳の機能を理解したうえで普段何気なく行なってしまう行動の中で、悪い習慣を指摘し、見直す事を推奨する本です。何気なく行なってしまっている行動というものは、指摘されないと分からない、気づかないものです。
この事実を知らなければ、人生がかなり無駄なものになってしまうことでしょう。

Amazonの商品説明にもありますが、
脳に悪い習慣とは、
(1)「興味がない」と物事を避けることが多い
(2)「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
(3)言われたことをコツコツやる
(4)常に効率を考えている
(5)やりたくないのに我慢して勉強する
(6)スポーツや絵などの趣味がない
(7)めったに人をほめない

の7つです。3や4はタイトルだけ見ると「なんで?」と思う人も多いのではないでしょうか。

私自身、かなりドキッとする事ばかりで本当に、悪い習慣ばかりだなぁと思わざるを得ない状態です。いろんな人に人生損してると言われる事も多いのですが、すぐに変わるという事よりも、むしろ悪い習慣を意識することをまず第1目標とし、常に改善することを肝に銘じたいと思っています。

本書はもう一度読みます。頭に入ってきていないこともありますし、「そうだよね」「知ってるよ」と思ってしまった部分もあって、他人に理由を説明できるほど、自分のモノになっていないと感じています。

ということで、本書を読んだ方へ。
チェックリストをドキュメントで共有しました。
ぜひ、自分の行動改善に役立ててください。

https://spreadsheets.google.com/spreadsheet/ccc?key=0AmCL1bDgOr4PdFRRaVBPb09HLXJ5WUJQTHI5emdLQWc&hl=en_US

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビ

本書はウェブユーザビリティを専門とするBeBitさんの本です。
ユーザ中心のウェブ設計をするためのステップは今も昔も変わらず、むしろ小手先のSEO手法が通用しなくなった今日においては、より重要なポジションとなったといえます。ユーザが使いやすい、見やすい、分かりやすい、探しやすいUIを構築することがいかに重要であるか、また、ユーザへの情報提供(コンテンツ)とユーザがネット上では文字を読まないという経験値に基づくウェブ設計がSEO面で特に重要となっていることは、ウェブマーケティング従事者ならば少なからず意識しているものと思います。
ウェブ設計の手順はシステム開発の手順ととても似ていますが、システム開発に携わらないマーケターに重要なウェブ設計手順を明確にし、読みやすく記述されている本書の価値は上昇しています。
「わかってるんだけど」、「そうは言っても」と感じる部分が多々あると思いますが、ユーザを中心とした設計を怠るとコンバージョン率の低下や離脱率の増加を招きます。また、既に完成してしまっているウェブサイトをもう一度、ユーザビリティテストやアンケート、アクセス解析等を駆使し、様々なセグメントで分析することにより、ユーザ像や心理状況を知るとともに、何を要求されているのかを知ることが大事です。
その意味において、本書は何か新しいページや企画を動かすときにパラパラとめくっておきたい1冊です。
ただし、アクセス解析部分については内容が古い、または間違った記述や解析内容の混同がみられるため、アクセス解析箇所については別の書をオススメします。アクセス解析については本書でも殆どページが割かれていないのですが、アクセス解析から何を見つけ、何をすべきか。その点もサイト構築後によく見ておく必要があることは間違いありません。

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践