最近のWEB動向について纏めきれていないが意見等を書いてみた

2月12日以降のWEB業界は非常に大きな変化があった。
・ Google Buzzの提供
・ GoogleがAardverk買収
その他,日本のスマートフォン事情が大きく変化してきている。Docomoスマートフォン(Xperia)発売報道後に,KDDIが,今後スマートフォンを発売することを決定しプレスリリースを打ち出した。

1.Google Buzzの与える影響
Google BuzzとはGoogleが提供するメールGmailと連携したサービスであり,Google ReaderPicasaといったGoogleの提供するサービスとの連携だけではなくTwitterやその他RSS(Rich Site Summary)を配信しているWEBサイトとの連携を行うこと,コンテンツのレコメンデーション機能を追加することで情報の重み付けを可能にした。現状では二番煎じ的な印象は否めないが,Google関連の情報を整理するためという位置づけで考えるならば,非常に良いサービスの一つではないかと考えられる。しかしながら,現在のGoogle Buzzで有益だと思う点を強いてあげるとすれば,それはGoogleがコンテンツレコメンデーション機能によって積極的に人と人を結びつける最初のサービスであるという事と,Google Buzzページが動的なウェブサイトとして成り立っている点だと考えられる。Twitterは文字制限がされた呟きだけだが,Google Buzzは文字制限を指定ないこと等により情報がさらに多い。自分のページをある程度カテゴライズすることである一つのカテゴリに関する専門ブログという位置づけにもなりうる。
もしGoogle Buzzによりカテゴライズ機能が実装された場合はインターネットで増え続けている情報の整理,ページ増加率の低下が起こることも考えられる。一人が内容によって複数のウェブサイトを立ち上げるという事があったが,Buzzでカテゴライズされ各々のページが一つのウェブサイトのような扱いが可能となれば複数のサイトを運営する必要性もなくなるからだ。

またGoogleBuzzの携帯電話(iPhone,Android)からの利用では位置情報を自動で送信するという機能がデフォルトで有効となっている(後にプライバシー問題などに発展するわけだが)。位置情報と書き込み,すなわち店の位置情報とその店に対する感想を書くことが可能となったり,位置情報と写真をアップすることもできる。そこから例えばGoogle Mapと連携,いつどこに出かけても地図と情報を取得できるようになる。

現在のところGoogle Buzzは,プライバシー問題等解決すべき問題が山積している状態だがGoogle Buzzのリリースによって少なからず注目度が高まったもの。それがGeoタグ(位置情報)の重要性の再認識だろう。今までもローカル検索とローカル広告分野が話題になったことがある。ある地域で本屋を探すと同時に検索結果にその地域のローカル広告が入り込むという形態だ。今後は位置情報の普及によってカカクコムのローカル版のようなサービスの導入やリアルタイム検索を用いたタイムセールス情報,キャンペーン情報の配信,その店までの距離やルートまですべてサポートすることができるようになる。インターネットとリアルな世界が結びつくという状況が生み出されるのではないだろうか。

2.GoogleのAardverk買収
Aardverkは例えばOKwaveやRightnow,はてな人力検索等と同様に誰かが質問をして回答を得るというタイプのサービスであるが,日本のサービスがポイント獲得を回答する動機づけとして利用したサービスであるのに対して,Aardverkではソーシャルグラフ(人と人との相関図)を利用したQ&Aサービスであるという点が異なる。日本のサービスではポイント獲得のために有効な回答が得られないという状況が多数散見されるが,ソーシャルグラフを利用することで知人またはその友人等近い距離の人から回答を得られる可能性が高い。これはGoogleが積極的に人と人を結びつける第2のサービスである。今後はGoogleのリアルタイム検索技術によってあるキーワードに言及する人の特定やその人との関係(親密度)により知識があるだろうと思われる人を積極的に勧めていくことになるだろう。

Aardverkが自信で今後解決すべき問題としている点は,回答(知識)は知っている人(母集団)の数に左右される点である。

3.スマートフォンがなぜ重要なのか
今まで日本の携帯市場はガラパゴス市場と呼ばれ,海外とは全く異質な進化を遂げている。その一つの原因として考えられるのは,新サービスがハード面に依存しすぎていたからだろう。例えば古くはカメラ機能やFelica機能,流行らなかったがプッシュトーク機能等,キャリア側が推進したい技術がハードへ依存んしており,端末開発メーカー全部が実装を必要とする。その進め方がガラパゴス携帯を生んだ一つの原因ではないかと考えている。しかしながら,昨今新規サービスがネタ切れのためか,それほど騒がれなくなってきている。そこで次は携帯のパソコン市場化が進むのではないかと考えられる。その第一弾がスマートフォンの発売である。次に起こるか不明なものがSIMロックフリーによる日本の携帯市場開放だろう。

携帯のパソコン市場化としては,将来パソコンと同様に携帯電話のスペックをオンラインや店頭でカスタマイズして自分に必要/不必要なものを取捨選択し,自分独自の携帯端末を購入できるようになるかもしれないと考えるからである。

<参考>
1 Jason Kincaid(February 2,2010),"ソーシャル検索に関するおもしろい知見を盛り込んだ研究論文をAardvarkが発表",http://jp.techcrunch.com/archives/20100202aardvark-research/
2 安田英久(February 16,2010),"グーグルが人力検索のAardvarkを買収、なぜ“はてな”ではないのか?",http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2010/02/16/7380