地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
東洋経済新報社
売り上げランキング: 79
おすすめ度の平均: 4.0
5 2008年上半期の一番の収穫
3 フェルミ推定的な思考パターンが大切
5 勝つ手順。
4 前提条件を立てて考えるノウハウを学べる
3 今日の晩御飯は栄養剤よ!

これは大変面白い。私はネット脳になってしまっているので,地頭力が非常に弱いと感じるが今の時代に地頭力が必要であることは理解できる。いくら検索する力があっても,実際に考える力やもちろん記憶もしていなければ,社会的にあまり認められないと感じる。
「地頭がいい」と言った場合,それは「思考能力が高い」事を示す。そして,一般的に「頭がいい」と言われるタイプには「物知り」「機転が利く」そして「地頭がいい」という3点のうち,1つ以上が秀でている人を指す事が多いという。今でこそ求められる「地頭力」も,従来の日本社会ではあまり求められることがなかった。しかし所謂コピペ族など,インターネットが出来たからこそ求められる考える力を備えた人物。それはインターネットとの付き合い方でいえば,インターネットで求めたモノが結果ではなく目的となる事,またはインターネットを土台として,さらに好奇心によって探求する能力のある人物なのだろう。
サブタイトルとなっている「フェルミ推定」は,一見予想不能と思われる問題,たとえば本書で登場する質問は「日本全国に電柱は何本あるか?」だが,正解はなく回答を出すまでの過程が問われる問題だ。どこまで身近なものに分解することが出来るか。これはある意味数学の因数分解のようなものだ。一度身近なわかりやすいものに分解をしてから再度問題となる大きなものを考察する。全体から部分へ。そして部分から全体へ。この流れこそが重要なのだ。また,この「フェルミ推定」のような問題解決方法以外にも,フレームワークを使った問題解決や仮説から入る問題解決方法もある。完璧主義や経験至上主義,沢山のデータを集めないと気が済まなかったり,データを集めても全く利用されなかったりということがないように,フェルミ推定から学ぶことやその他の問題解決方法から学ぶことで,今社会的に求められる人物像に近づくとともに,どんな分野にも適応できる能力,そして自己解決能力を高めることが大切なのである。