グループ会社戦略



 グループ会社の戦略としてグループ各社と連携するのは当たり前の流れであるが、連携の仕方が重要である。一つはグループ会社の商品を取り扱うこと。もう一つは、グループ会社の商品をそのまま使うのではなく、組み合わせる、切り離す、一部の分野に特化するなどの方法により、新たな金融商品を生み出すこと。さらに、現在ウェブの世界では一人一人にあった商品を提供することや、その人のカスタマイズができることに重きがおかれている。ひとつの商品でも幅を持たせることも重要である。

 ある一つの商品が非常に有望であり、販売網が築けていないだけだと判断した場合は、商品の販売網を増やす意味で、他の店舗網をもっている会社などで商品を取り扱ってもらうことにより売上を伸ばすことができる。だが、その商品を広く知ってもらうことでニーズが生まれると判断できる商品は少ない。車のように根幹は決まっていて、それ以外は自分で装飾したり、オプションを付けたりできる。この選択肢があることが、商品の売り文句ともなる。かつ、途中でその装飾やオプションを変更できること。この柔軟さが必要なのではないだろうか。

 新しいアイディアを生み出す方法は、なぜか沢山の書籍が出てきているがキーワードとして「合わせる」「自由にする」「取り込む」「広げる」「抜き取る」「切る」「逆転・対立させる」というものがある。新たな商品を生むためには、グループ会社同士の商品を合わせることで新しい商品を生み出したり、制約を外し金融商品のターゲットとする年代層を広げる仕組みを作る。また、似た商品の作成や商品を広げる広告分野、商品の一部を削除してしまい、スリムな商品を生み出すことや全く逆の商品を作成することにより、扱う商品に幅が出て、広い年齢層をターゲットとした新しい商品を生み出すことができると考える。

 また、グループ内で商品だけでなくシステム関連などバックオフィスのサポートを受けるなど、グループ外の会社に依頼するよりコスト面でメリットが大きい。ただ、新たに創設するほうが良いのか、豊田自動車のように完全子会社化することにより調達能力の向上を目的とするのか、この判断は非常に難しい。ただ、金融関連のシステムは昨今のシステム障害、誤発注等の問題により、厳しい環境におかれている。金融分野のシステムに関しては長年の経験を積んでいる会社の子会社化することにより、コスト面のメリットを享受することが望ましいだろう。

 各個人での商品組み合わせには、ホームページ上でFlashAjax等の技術を使いユーザーインターフェイスの向上を図る事により、商品の誤入力をあらかじめ防ぐシステムを構築することで、高齢のお客様に対するアクションを積極的に起こすことが可能となる。また、そのツールによりドラッグドロップでの組み合わせ、価格等の調整を行なうことと同時に、グラフ等、視覚的にわかる画面を用意することが必要となる。