ソーシャルブックマークから考えるWebの流れ 1

海外で始まった del.icio.us というサービスを見て,日本では
はてなブックマークという同様のサービスが始まった。
このソーシャルブックマークについて考えることで,何か次の流れを予感することが
できるような気がする。 
自分のメモを整理しながら 何かかければと思い,何回かに分けて書くことにする。

1.情報の価値は一様ではない。

Web上には情報があふれかえっている。
次々と新しい情報が出てきては消えて行く。 ブログサービスが始まり pingという機能があるがために
スプログも同様に増加し,コメントやTBに対するスパムが拡がった。
誰でも情報を発信できるようになり,同時に情報の流れの速度も変わった。
誰もが利用する世界。だからこそ,使う人によってWebの見え方も違う。

まず,当たり前だが情報の価値は一様ではないという話題から始める。
その一様でないという意味は,見る人によって優劣,重要度,見え方までもが変わってくる。

したがって,その人 その人にあったフィルタが必要となる。
フィルタは非常に重要だ。
以前,AllAboutが出てきたときには 非常にショックを受けた。
一つに 専門もしくは,ある分野に通じる人が情報を選び 皆にアナウンスするという体系。
この「人」というフィルタは非常に重要だと感じた。
信頼できる人や,専門家,現在ではアルファブロガーとも言えるかもしれないが
そのような人の発したメッセージ,その人が選んだ情報という 一つのフィルタの重要性
これは強く感じたものだった。

しかし,ソーシャルブックマークという存在が,うまく破壊してくれた。
フィルタが人であるという固定観念から,人以外でもブックマークというイベントが
一つのフィルタとなり得るということを証明した。 そして,AllAboutの台頭以上に
ショックを受けた。

特定の人ではなく,ブックマークというごく日常的に行われる行為で
かつ,ブックマーク数が5を超えるというイベント。これをフィルタとした。

ソーシャルブックマークの良いところは,能動的行為を利用するという点だ。
受動的なものや,何らかのアクションを求めるというものは
インターネット上では好まれないような気がする。

受動的なものとして,例えばメーリングリスト
登録したときや,最初の数通は目を通すかもしれないが
登録しているメーリングリストが増えたり,ルーチンワークのような印象を抱き始めると
見ずに削除をしたり,見る時間が秒単位になってくる。
以前,ITmediaでも 1通にかける時間が最も多いのは10秒。などという 調査結果を
公表していたように思う。

それに対して,ブックマークという行為は 気に入ったり,再度見たい
家で場所を変えて見たいという場合には,能動的に行われる行為であり
自然な行為。 ここを一つの指標とし,かつフィルタとしての役割を持たせたこと。
ここに非常に衝撃を覚えた。

ブックマークというもの自体の性質というのも この流れを支えているように思う。
ブックマークは一時的なものだと常に考えていた。いずれ削除されるものだと。
しかし,ソーシャルブックマークが成り立つということは 実際にブックマークを
こまめに削除するものはいないという現実があるように思う。

自分自身,一度ブックマークをしたものは なかなか削除されない。
この現実があるからこそ,成り立っているように思える。
何か情報サイトなど,本当に役立つものは自宅のPCでもブックマークするだろうが
ネット上であれば,気軽にブックマーク登録をすることができるし
かつ,HPのホームをブックマークするというより 一つの文章,一つのコラムのアドレスのみを
保存することが出来る。 この気軽さも非常に良い。

ここで学ぶべきことは,受動→能動という転換をうまく成し遂げ
利用することが出来たということだ。
同様に,能動的な行為を見つけていくこと。 これは次への突破口となるだろう。

ということで,第1章を締めくくりたい。