ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビ

本書はウェブユーザビリティを専門とするBeBitさんの本です。
ユーザ中心のウェブ設計をするためのステップは今も昔も変わらず、むしろ小手先のSEO手法が通用しなくなった今日においては、より重要なポジションとなったといえます。ユーザが使いやすい、見やすい、分かりやすい、探しやすいUIを構築することがいかに重要であるか、また、ユーザへの情報提供(コンテンツ)とユーザがネット上では文字を読まないという経験値に基づくウェブ設計がSEO面で特に重要となっていることは、ウェブマーケティング従事者ならば少なからず意識しているものと思います。
ウェブ設計の手順はシステム開発の手順ととても似ていますが、システム開発に携わらないマーケターに重要なウェブ設計手順を明確にし、読みやすく記述されている本書の価値は上昇しています。
「わかってるんだけど」、「そうは言っても」と感じる部分が多々あると思いますが、ユーザを中心とした設計を怠るとコンバージョン率の低下や離脱率の増加を招きます。また、既に完成してしまっているウェブサイトをもう一度、ユーザビリティテストやアンケート、アクセス解析等を駆使し、様々なセグメントで分析することにより、ユーザ像や心理状況を知るとともに、何を要求されているのかを知ることが大事です。
その意味において、本書は何か新しいページや企画を動かすときにパラパラとめくっておきたい1冊です。
ただし、アクセス解析部分については内容が古い、または間違った記述や解析内容の混同がみられるため、アクセス解析箇所については別の書をオススメします。アクセス解析については本書でも殆どページが割かれていないのですが、アクセス解析から何を見つけ、何をすべきか。その点もサイト構築後によく見ておく必要があることは間違いありません。

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践