しかけ人たちの企画術

自炊して電子本化すると、一部分読みづらくなる書です(苦笑
いえ、9人の著名な方々が、今まで携わってきた企画を考えるに至った思いや考え、そして企画と関係ない部分から滲み出る人柄や環境がまとまっている本です。
複数名だからこそ、ハッとさせられる考えが散らばっており、なるほどな!と思う部分が必ず一つはあるはずです。私の場合ですが、例えば・・・
箭内さんと寄藤さんの対談形式で書かれている部分で、寄藤さんが「企画の企の字に止まるという字が入ってるじゃないですか。あれがぼくは、どうも好きになれないですね」箭内さん「企てるとも読むし、あんまりいい雰囲気じゃないよね。」と語っている部分とか、嶋浩さんの部分で、「テクノロジーは企画ではなくて、企画を遂行するための手段なんです」、「企画とは「世の中の暗黙知言語化したもの」だと思っています。世間がなんとなく感じているけれど、まだ意識できていない欲望や思いを言語化あるいは体現したもの。」なんて部分はハッとさせられる人も多いのではないでしょうか?
言語化してあげることによる「自己確認効果」というのも面白い話です。言語化することにより自覚と帰属意識が出てくると。逆に言語化することにより、そう思われたくないと感じる人も出るでしょうが。「草食系」みたいな言葉もそうですが、やはり、こういう言葉を最初に思いついた人は素晴らしいですね。そして、この言語化は知っての通り、二番煎じ以降は全く広まらない(笑)。新鮮さに欠けるからなのでしょうか。
書名の通り、企画術やら「あの企画、どうやって思いついたんですか?」なんてテーマで書いていたら、恐らくつまらないモノになっていたのではないかと思ってしまいますが、その人となりから感じられる部分にこそ、本書の楽しみ方があるのではないか。そう思わせる本です。

しかけ人たちの企画術

しかけ人たちの企画術