日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

最近Twitterを始め、各所で話題になっているEC studioの代表山本氏による著書です。
本書では著者が重視しているマズローの欲求段階に従い、会社の制度を変え人材が流出することのない会社を作り上げている様子がわかります。そして会社が社員ひとりひとりのモチベーションの阻害要因とならないことだけでなく、一人ひとりがさらに成長することを重視している事で、良い循環が生まれている例だ。社員が成長し会社にさらに貢献する。そして企業へ長く務める。
日本の企業としては非常に珍しいかもしれないが、それがまた各所で取り上げられる要因になっており、本書を参考にまずは自社で似たような仕組みを創り上げることから初めてもよいだろう。一時期「はてな」がとても個性的な企業として取り上げられていたのと同様だ。両者の違いは「はてな」がエンジニア集団に特化しているのに対し、EC studioではより幅広い人材を備えているということなのだろうか。もちろんエンジニアが重要な企業であることは間違いないのだが会社の中の比率的な違いはあるだろう。
さらに、本書内では数々の制度だけでなく、いかに効率的にお金をかけずに仕事を行うかという観点から数多くのアプリケーションが紹介されている。企業の管理職でなくともここで紹介されているアプリケーションを積極的に活用して自分自身の仕事効率のアップを行うだけでも、とても有意義だ。私の務める会社でもGoogleパワーをフルに活用すべくappsを利用しているし、OpenOfficeも入ってはいるけれども、個人的にすべてGoogle Docをフル活用している。不便なことも多いが基本路線としてはappsを活用しない手はない。それ以外にも本書内で紹介されているアプリケーションをぜひ有効的に活用してみてはいかがだろうか。
本書のスペースの関係からかアプリケーションについての詳しい説明はないが、インターネットをフル活用している会社につとめている者であれば、大体知っているアプリケーションであると思う。アプリケーションの活用法がHPに載っているのかもしれないが、その辺りは自分の知識と機能や利用方法をまとめたサイトが数多く存在するものなので自分で調べる方が良いかもしれない。
最後に付け加えると、本書自身がEC studioのマーケティングとなっているところがポイントだ。本書で紹介されている便利なアプリケーションはすべてEC studio社のHPにリンクがある。また、EC studioが変わった会社だなと思った時点で、EC studio社HPへアクセスしたくなるという欲求が生まれることは間違いない。そんな私もEC studio社のHPへアクセスしてしまったひとりだ。
なぜiPhoneを社員一人ひとりに配ったのか。なぜ電話が存在しないのか。なぜ社員満足度が最も高い企業なのか。そんな疑問を持ったらぜひ手にとってみてほしい。
気軽に読める本なので空いた時間にパラパラめくってみるのも良いだろう。