「Helvetica展」

本日はラフォーレミュージアム原宿で行われているHelvetica展へ行ってきました。英語のフォントであるHelvetica。それは誕生から何十年も経過しているにもかかわらず,未だに看板,標識,企業のロゴなど,目にする機会が非常に多い。
Helvetica展では,「Helvetica」の映画を1時間半ほど上演された。Helveticaというフォントに対する賛否両論が映画の中で語られるが,何よりも書式が何も語らない中立なフォント。その中立さ故に企業の間でこぞって使われることになった。看板などで人に命令できるフォントもHelvetica以外には存在しないと。
反対意見としては,そのフォントのシンプルさ故に退屈さを感じ,それから逃れようと文字に宿る感情,イメージ,力強さ等にこだわり,追い続けるものがいる。それがポストモダニズムと呼ばれる流れなのかもしれないが,その敵対するものは常にHelveticaというフォントだ。
タイポグラファー曰く,字の黒い部分よりも白い部分の方が重要である。。。と。
Helveticaの元となるフォント名はグロテスク体ですが,アメリカで広めるために名前をHelveticaへ変えた。Helvetiaがラテン語で「スイス」を示す。フォント名に国名を入れるべきではないという事で,最終的にはHelveticaという名称へ変更された。

フォントには全く興味はなかったのですが,凄い面白そうな世界だった。フォントの基本となる「H」と「x」から,似た形を持つ文字を比較しながらフォントを作成していくようだ。文字と文字の間の空間や,文字の中にある空間。その限られているようで無限に広がる世界の美しさが見えるような気がした。タイポグラファーの気持ちを少し感じることが出来たような気分。映画に出てきた人のほとんどは,マニアのような状態だけれども,その美しさの探究心はすばらしいものだ。
Helvetica,それ自身は既に完成され,それ以上の改良は難しいとされているが,Helveticaファミリーは50種ほどある。Macでは初期設定がHelveticaとなっているが,WindowsではパクりともいえるArialが搭載されている。WindowsユーザーでHelveticaを使いたいと思ったら,Arialをちょっと使ってみると良いのかも。。。いや,ちょっとださい感じ。。。