もしもハリウッド監督が会議を仕切ったら?

もしもハリウッド監督が会議を仕切ったら?
パトリック・レンシオーニ
東洋経済新報社
売り上げランキング: 72462

別に本当にハリウッド監督が会議を仕切っている訳ではないけれども,8〜9割は物語です。短いテレビ番組,ドラマや映画などを例に,一般的に退屈だと思われている会議をいかに有意義に,そして魅力的なものにするかが語られています。
会議のない会社などないし,会議はむしろ会社の方向性を左右する重要なものである。もし会議が退屈すぎて,"会議がなければ,この仕事が好きなんだが"と言うとしたら,それは本書の「はじめに」で書かれているように

外科医が看護師にこう言ったとしたらどうだろう。「手術をしなくていいなら,この仕事が好きなんだが」

というのと同じ程度に陳腐な文句であると言わざるを得ない。
会議をなくすという主張ではなく,目的を持ち,決められた時間内に,内容を詰め込みすぎず"議論"を行う場を作るという意味において,時間の決められた短時間のニュース番組や,それより少し長いテレビドラマ。そして時間を気にしない映画という比喩を用いて会議を分類する。毎日行う「確認会議」は5分程度。これは短いニュース番組にあたる。ニュース番組であれば1つ1つの案件を1分以内で要約され,立ったまま行ったりすることが出来る。次に毎週行う「戦略会議」これは45〜90分程度でテレビドラマのような存在だ。あとは映画の存在である毎月の「戦略会議」だ。もちろん毎日や毎週,毎月行う必要性はないが,ここで重要なのは時間の制約と会議の中で議論,決められた日程で会議がちゃんと行われるということ。あとはコミュニケーションの場としての意味や,毎月のもののようなものでは事前に十分に準備することで大いに議論することが出来る。会社のトップの会議の雰囲気が会社全体の士気に多大な影響を与えるものだからこそ,大事にしたい会議という場。全体の要約は最後の章に書かれているので,細かい点は自身で確かめた方がいいだろう。