3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
城 繁幸
筑摩書房
売り上げランキング: 224
おすすめ度の平均: 3.5
3 元気が出る本だけど、ちょっとツライい所も・・・
3 高卒です
4 “昭和”VS“平成”の構図? 
4 職業観の多様性は認識すべし! との示唆あり
5 真の自立とは

遅ればせながら読了。この本に共感し,今の会社でもう1年働くことと,新しい職場へ移動して1年働く事を天秤にかけ,結局会社を退社し外資系会社へと転職した人がいた。自分の能力を正当に評価され,それに見合った対価をくれる会社と,いくら能力があっても入社して年月がたたないからという理由だけで給料が安いという会社ではモチベーションの点からも大違いだ。成果主義成果主義といいながら,結局年功序列という概念がぬぐい去られることはなく,今後も続いていくと思われる。
本書は古い日本の体質の残る会社での事例が多数あげられ,これを読んで,あなたはこれからどう行動しますか?と聞かれているようなものだ。
教育の現場でも,結局学校に入ってしまえばよっぽどのことがない限り留年することはない。それが大学まで続き,会社に入っても,頑張ろうが頑張るまいが階段のように給料があがり,ポストがあがっていく。年齢を重ねれば重ねるほど自分のポストの維持に努め始め,人を蹴落としたり我が儘を言ったり,口が達者になったりする。「何でそんなことも出来ないんだ」とか,「俺は客だ!」という態度になったり。いや,そこまでは言い過ぎなのかもしれないけれども,社会全体が無気力症状を多くの人に発症させるには十分な理由があるんじゃないかな。今の状態がこの先もずっと続くモノだと信じ込んで。
転職をしても転職前の給料を引き継ぐというのも,年功序列に近い概念のような気もしているんですよね。会社がそれだけの価値がある人物であり,その給料から内容によっては落ちることも十分にあるというのであれば成果主義なんだろうけど。
ところで,この本を読んだ方。その後,どう行動されましたか?