キーボード配列QWERTYの謎

キーボード配列QWERTYの謎
安岡 孝一 安岡 素子
エヌティティ出版
売り上げランキング: 64297
おすすめ度の平均: 3.5
5 俗説を葬るための緻密かつ誠実な調査の集大成
4 「情報化社会の根本を築いてきた人々の吐息」を感じとれる。

現在のキーボードが出来あがるまでの歴史と配列に関する謎を解説している本です。QWERTYの読み方って今まで「クウェルティ」だと思っていたんですが,「クワーティ」なんですね。まぁ,「クウェルティ」と言うとヨーロッパなイメージですけどね。
本書を読んで思ったのは,意外と現在のキーボード配列は昔からあるものなんだなぁと感じました。それだけキーボードの配列に関しては科学的な研究や見直しがされていないということになると思っていますが,既になれてしまっている配列なので,メーカー側としても大きく変えにくいというものなのでしょう。著者はあくまで通説のように言われている"QWERTY配列はわざと打ちにくいものになっている"という説が正しくないということを説明するために様々な歴史的背景や時代背景を,順を追って説明しています。
ただ,メーカー側がデファクトスタンダードのように押しつけているということであれば,再度見直すことで最適な配列を研究する意味があるのではないかと思ってしまいます。数十年もずっと変化しないのは,それはそれでおかしな世界ですね。