パソコン文化圏と携帯文化圏

携帯はフルブラウザを手に入れた。今までデスクトップ、またはノートパソコンなどがなければ見ることが出来なかったウェブサイトを見ることが可能になった。
パソコンで見る世界は、まさにワールドワイドウェブであり、通信速度や記述されている言語に違いはあれど、いつでもどの国のウェブサイトでも、行き来することが出来る。そして海外で新しく出たサービスや面白いネタ、動画などがすぐさまdel.icio.usやdigなどのソーシャルブックマークに乗って世界中を駆け巡る。それに対して、携帯電話の世界はどうなのか。速度の違いもあるし、言語の違いがあるのはパソコンと全く一緒。パソコンをメインに使っている私にとっては、携帯は非常に閉鎖空間のように感じられ、パソコンの端末を通して見えるインターネットの世界とは全く違うものだと思う。
それは海外で紹介されているサービスがスマートフォン向けのものだったり、クッキーではなくセッションIDで管理される日本の一部のキャリアには全く不向きなサービスであったり、海外で紹介されたサービスをそのまま日本の端末で再現し楽しんだり利用することが出来ないということがある。また、海外のサイトを見て、そのサイトをソーシャルブックマークに登録しようとしたら、どうしたら良いのかがわからない。普段利用しているパソコンにアドレスをメールしておいて、後で登録すればよいのだろうか?
また、携帯電話が進化してPC並みになるという意見まではいいのだが、PCが廃れる存在へと変化するのではないかといった議論は、非常に滑稽なものに思えて仕方がない。仮に携帯電話がiPhoneのようなUIを手に入れたとしよう、直感的なページ送りや操作が可能だ。でも、文字入力はどうなるのだろうか?音声認識
では、Nokiaの発表した次世代携帯電話のMorphのようなものが出てきたとしよう。これで一体何をしようというのだろうか?

現在、RSSでじっくり読むものだけピックアップして、マークをつけたものを携帯電話で読んでいるが、携帯電話でパソコンのウェブサイトが見れるようになったからこそ、パソコンの代替品として携帯を使うことが出来るようになった。代替できる部分が増えていき、パソコンの領域とされていた部分が徐々にモバイルの領域と重なり始めたといったほうが適切だろう。だが、パソコンの領域=モバイルの領域となることは、今後もないと思っている。パソコンがカラーの電子ペーパーのようなものになったとしても、それは持ち歩きできるパソコンにすぎず、移動中に何かを行うというものではなく、現在のノートパソコンの発展した先としか言えないと思う。そんなことを考えた。