RSS利用法

どうも今週はRSSリーダーが一般的ではないという指摘に関する内容のブログ記事が多かったので、私も少し言及してみようと思います。自宅でもパソコンに向かっているのではないか?とよく言われますが、自宅で見るサイトはほぼGoogle Readerです。Readerからリンクしてニコニコとか、YouTubeとかそのほかのサイトに派生しているだけで、メインはReaderなのです。そんな変人から見たReaderの役割を少し書いてみようと思います。

RSSの背景を探る

RSSはブログの1機能のように普及してきたけれども、そもそも「RSSとは」という部分を考えていると、RSS Readerの開発によってRSSそのものの意味合いが変わってきたのではないか?という気がしてくる。RSSRSS Readerがどのようなタイミングで出来てきたのか、その時期は異なるのか?という部分は不明確であるのだが、元々NetScape社が開発したRDF構文が前身となっており、NetScape社はそのRDFを「チャンネル」というサービスで利用していた(参考 1998年のPR)。その「チャンネル」は現在のNetScapeでは存在していないようで、どのようなサービスであったのかはわからないのだが、ニュース等の「チャンネル」があったとなると、ニュース等が配信されるたびにRDFを取得してブラウザ上に新着記事として載せるというものだったと予想される。この「チャンネル」から考えるならばRSSの意味合いとしては"ブログ等が更新されたことを通知する"機能として紹介できるだろう。しかし、RDFをベースとしてRSS1.0の流れとRSS2.0の流れ、その他ATOM構文が出てきて、それらに対応したRSS Readerというものが出現したことにより、意味合いが変わってきたのではないだろうか?「情報を効率的に取得する」ツールとして。
インターネットの世界では、ブログの乱立だけではなく新規にHPの立ち上げやHPのリニューアルを通して情報量が大幅に拡大するなど、情報が溢れ、何かの情報をインターネット上から得ようと思う人が能動的に検索エンジンを使う、またはウェブサイトをブックマークに登録するなどして情報を得ている。しかし、インターネット上の情報は増え続けるばかりで減ることを知らない。知識をどんどんウェブ上へあげるなどオープンな動きのメリットを知った人は、さらに情報をインターネット上にあげている。そんな中、RSSがブログの1機能として提供されたり、企業のPRに利用されたりと、RSSを吐き出すページが現在でも増え続けている。そのようなRSSを一括して管理できるRSS Readerが出てくることにより、RSS道さんが2006年に記載しているとおり

インターネット上にある情報をもっと整理できるようにして、もっと効率よく情報が得られるようにしようという対応策

という意味合いが、新たに出てきたのではないだろうか。
Googleのブログ検索でRSS Readerを用いるメリットが書かれた文章を探したのだが、ブログ記事では主にブログが更新された事を知るすべとして語られることが多いように感じた。

RSS Readerを必要としない人

今週、様々なブログで話題となっていたものはRSS Readerが普及しないという事だが、RSS Readerを使うということは、能動的に情報を取得するという立場となる。インターネット上で効率的に情報を取得する必要性を感じなければ、もちろんRSS Readerを使う必要はない。具体的に言うと閲覧するサイト数は少なくて、かつ以下のような場合が考えられる。

  • 読むサイトが決まっている
  • 更新タイミング(毎日、隔週、曜日)が固定したサイトを見る
  • ブックマークで巡回サイトを管理している

このような場合はRSS Readerを使わずとも、限られた数のサイトであればブックマークから呼び出せば良いし、更新タイミングがわかっていれば、"更新を知る"という意味合いにたったRSS Readerの導入の必要性はない。タブブラウザでBookmarkを展開したりしている人が想像できる。このような人の場合、RSS Readerを導入する必要性はないだろう。

購読数により意味はさらに変化する

時々読むブログやニュースサイトがだんだんと増えてきて、その度にブックマークに入れたりしているとブックマークばかりが増えて、そのうち管理できなくなる。気づいてブックマークからサイトへ飛んでみると404エラーが出たり。そこでRSS Readerを導入してみる。私の場合は明らかに"情報を効率的に取得"する目的のために利用しているが、いくつかのサイトを登録していると以下のようなメリットが出てきた。

  1. 1画面で複数のウェブサイトの内容が確認できる
  2. ホワイトリストとしての役割

1点目に関してはわかりやすいと思う。いくつサイトを登録していようとも、RSS Reader1つですべてのサイトのRSS情報を表示できる。管理がしやすいという面でもあるが、サイトが増えてくると、Reader上でどのサイトを購読しているのかをあまり意識する必要性がなくなるということが言えるだろう。それは人によってメリットにもデメリットにもなりえる点かもしれない。ただ、この1画面で複数のサイト情報を表示できるという点から全文配信をしろと促す人達が出てきたことも事実だ。RSSでは全文配信しているサイト、途中まで本文を配信しているサイト、そしてタイトルだけの全く本文を配信していないサイトがある。個人的には広告収入などの面でRSSではなく、RSSで興味を持たせ、直接ウェブサイトへ飛んできて欲しいと思う気持ちはよくわかるので、全文配信して欲しいと思うけれども、全文配信している、していないに関わらず、購読するものはする。
2点目のホワイトリストに関してだが、Readerに登録しているサイトの数が増えてくると、一種のホワイトリストのような役割となる。そのホワイトリストとして登録しているサイトの本文内でリンクされている先も信頼がおける。リンク先が非常に有益な情報を配信しており、かつRSSも提供されていれば、またそのサイトをReaderに登録するといった流れで、私のReaderはだんだんと登録数が増えている。だが、ホワイトリストであるという位置づけが揺らぐことは無い。

RSS利用法

購読しているRSSの数が少ないときには、記事をReader上で見る、または直接ウェブサイトへ飛んで見れば良いだろう。最初は未読となっていることが気持ち悪く感じて、全部既読にするかもしれない。ここでは私の場合について書くので悪しからず。
まず、私が利用しているReaderはGoogle Readerだ。そして、購読数が少し多くて全部見ると時間がかかりすぎてしまうという状況がある。そんな私がReaderを確認するチャンネルとしては

の2つ。PDAがある人は携帯の変わりにPDAを用いるのが良いだろう。携帯電話のフルブラウザだが、ここは携帯にデフォルトで搭載されているフルブラウザを利用したい。アプリだと電池の消費量が全然違う(このためだけにドコモのパケホーダイフルに加入しているのですが)。そして、Google Readerの場合、フォルダのような位置づけでTagを利用できる。Tagで分類をして、最低毎日このTagだけは見るというものを決めてある。次に実際の利用だが

  1. パソコンでGoogle Readerの記事をリスト表示
  2. タイトルを見て、後で読みたいものにどんどんスターを付けていく
  3. あとで携帯もしくはパソコンでスターをつけた記事だけじっくり読む

こんな流れ。パソコンだと沢山の記事を一度に見れるし、操作性や通信速度も全然違うので、読みたいもののピックアップはパソコンで。じっくり読むのはパソコンでも携帯でも構わない。ただ記事に画像が多かったり動画があったりすると携帯では見れなかったりするので、そういうものはパソコンで見るべきだろう。

最後に

「いかに情報を効率的に取得するか」。確かに記事のタイトルだけだと釣られるタイトルだったり、内容は非常に興味深いものを見落とす可能性が大きい。だけれども、他の人も興味をもってくれるような内容ならば、他の人が記事にするかもしれない。今回のRSSに関するブログ記事のように、何度いろんな人が書いている記事を見たかわからないようなものもある。ついこの前は沖縄で起きた米兵に関する記事が目立っていたのだが。
RSS Readerは全員が必要とするものではないだろう。昔、B to CにおいてEメールで通知したりEメールを用いてマーケティングを行うのではなく、すべてフィードに置き換わるべきだと考えていた。Eメールであれば届かないリスクや、個人情報が載せられなかったりもする。そして迷惑メールやフィッシングメールが存在する現在の状況に一石を投じることが出来るのではないかと考えていたが、RSS Readerは今後も全ての人が必要とする技術でないため、B to CでもEメールに置き換わるべきではないだろう。
ただ、すべてのメーラーRSS Readerの機能がつくくらい、使用されないにしても普及さえしていれば、各企業が個々人に別のIDを割り当て、それぞれの人にあったフィードを配信するようになっても良いだろう。