インフォドラッグ 子どもの脳をあやつる情報

インフォドラッグ 子どもの脳をあやつる情報
生田 哲
PHP研究所 (2007/04/17)
売り上げランキング: 48568

所謂批判の多き「ゲーム脳」に関する本。そんな事は全く関係ない!と頭ごなしに批判するのもいかがかと思い、こういう本も読んでみるものだ。
ゲームが犯罪を招くかどうかは別として、ゲームを行っている時のドーパミンなどの神経伝達物質の状況、脳の活性化状況など科学的な調査が可能なものがある。本書では論文の結論を引用しているとはいえ、実際のCT画像などがあれば、なお良かった。参考文献に出ている本や論文におそらくあるのだろう。
実際の計測データを批判することは出来ないが、私自身もゲームには何故集中できるのか?何故欲するのか?全くゲームに縁が無かった大人でもハマるのだろうか?といった疑問はある。ゲームの弊害として、個人的には以下があるのではないかと考えている。

  • 映像状況をすべて把握することにより、考える力が低下する
  • 表情で読み取るという事がないので、リアルな世界の交流よりゲームばかりやっていると社会生活に支障をきたす原因になりえる。

今でも、犯罪をおかした少年の部屋から暴力的なゲームやアニメの作品が発見されたなどとニュースになる事があるが、これは非常に短絡的な結論のように思う。本書でも書かれているが、暴力的なゲームやアニメを見ることで急に生活に支障が出るわけではなく、それまでの生活環境などの蓄積があるはずだ。単に蓄積された結果、本書にあるように前頭葉の発達に遅れが見られ、最近読んだ暴力的なゲームやアニメに感化され、それを模倣した犯罪をおかしたという事は、もしかしたらあるかもしれない。ただ、それはそのゲームやアニメが関係していると報道されたりすることは、非常に短絡的だといわざるを得ないのではないだろうか。
一部ゲームやアニメに暴力的なシーンがあるし、格闘ゲームなどは暴力だけの世界といえるのかもしれない。なぜ子供は夢中になるのだろうか?
自分の努力が100%反映するから?(レベル上げなど)
自分が世界の中心のように思えるから?
自分がもっとも強いと誇示できるから?
むしろ、何故ゲームにハマってしまうのか。そっちのほうが気になる。自分もゲームもするし、自分の場合で考えていくと答えが見つかるのかもしれない。