過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?

ITの過去をベースとし、そしてムーアの法則に則った未来を想像する本。ただ、それだけに留まらず、本書を読んでいると日本はその法則に則って動いていないのではないか?このまま取り残されて良いのか?と問いかけてくるような、そんな本に感じた。ムーアの法則が今後も成り立っていくかはわからない。しかしながら、今までムーアの法則に則って動いてきたIT世界の構図があるのだから、今後もそれに則って動いていくと考え、先手先手で動く必要がある。折角法則がわかっており、その法則に当てはまると仮定し、見えてくる未来にあわせて戦略立てて考え、動くことでこの先、日本のIT社会が大きくかもしれない。そういう事を提案している本だと思う。
もちろん日本のブロードバンド環境など、世界より秀でている部分もあるけれども、それ以上にWEBサービスなど情報コストの低下を予期し、動くこと。そして企業買収に対する防衛策や株式の持合など、日本社会、日本政治の批判をしている本です。