医療について少し考えてみた

親しくさせていただいている友人である医療関係者の方々と食事をとりつつ話している内容を聞き、それに対して考えていたことを少しまとめてみたいと思う。といっても、なるべく一般化させて書くことにする。私一人異業種だったりするので、話に口を挟むことは出来ないけれども、毎回新しい発見というか、面白い話が聞けるので楽しみにしている食事会でもある。

まず、私個人としては、医療とは「その人のQuality Of Life(QOL)をいかにあげるか」ではないかと考えている。医療と一言で言っても、幅が非常に広くて想像するものが一人ひとり異なってしまうものだ。しかし、突発的なものであるにしろ、過去の生活習慣等に起因する蓄積されたものの発現であるにしても、QOLが損なわれる出来事が発生した場合、医療の立場からQOLをあげることこそが本質なのではないか?と思うのである。一度起こった形質変化が医療技術によって100%、元の姿に戻らなかったとしても、生活上全く支障がないなどQOLが向上していれば、それは医者や看護師、技師、医療機器メーカー等は責任をまっとうしたと言えるのではないかと思うのだ。
人は、現在自分が感じているQOLの低下が、病院等の医療機関に行けば向上できる類のものではないかと考えて足を運んでいるだろう。医療機関で治せるものであれば、もちろん対処をしてあげるべきなのだが、中には複雑化して、原因が多数にわたるものもある。むしろ、こちらのほうが多いのかもしれないが。
ただ、問題は病気等の判定に関する部分である。何らかの計測を行って判定するもので、機械の判定と手動の判定を行えるものの場合、この差異が問題となる事が多い。機械と人間で差異が出るのは当たり前なのだが、どちらの基準をもって、その人のQOL低下が、その病気、症状等に起因するものであると判断するか。論点は以下の2点。

  • 人間重視:知識、経験の差が出るため、かかる病院によって診断が異なる場合がある。
  • 機械重視:どの病院に行っても同じ判定が出る。ただし、機械によって差がでるため、その医療機関がどんな機械を使っているのかを考慮しなければならない。

医療に関係のない、一般人としては機械重視のほうが良いのではないか?と感じる。現在は人間重視の世界であっても、ゆくゆくは機械重視になっていくのだろう。ただし、以下を事前に考察しておく必要がある。

  • 機械、ソフトでの結果のばらつき度合い
  • 手動と自動でどれくらいの差異が、どのような場合に発生しやすいのか

まず、機械やソフトの特性やそれらの差異がわかっていなければ、いくら機械による自動を推奨してもデータの汎用性は保たれない。また、手動との違いを検証する必要があるが、これは手動で検証する人の知識や経験によって結果が大きく異なってしまうため、非常に難しい部分である。その他、人間と機械が同じ結果を導きだした場合はよいが、異なる結果を出した場合にどちらを優先させるべきかという事もある。
ただ、前提として常に考えていて欲しいことは、ただ一つ。「その人のQOL低下の原因は何か」ということだ。機械や人間に重症だと判断されても構わないが、QOLが大して損なわれていないのならば、再度結果を考察しても良いのではないだろうか。
病気や外傷、症状にも寄るし、放っておくとQOLが損なわれるという予防的観点もあり、とても一般化しきれていないが、何か医療関係者の話を聞いていると、患者の気持ちが置き去りにされているような気がしてしまうことがある。