ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態

富裕層の変化を実例を交えながら語られた一冊。IT関連企業や金融関係者などが次々と富をなし、ニューリッチという階層を作っている。そのニューリッチは、従来の富裕層とはまったく異なり、様々な活動に積極的であり、ある人は慈善事業に力をいれ、また政治を動かすなど、力を尽くしている。
従来の富裕層が行うパーティーなどを嫌い、あまりに行動的過ぎるため昔からの富裕層には嫌われる。また、慈善事業に力を入れている者は、赤十字などの大手の非営利団体を大変嫌う。それは人件費や無駄に多い報告書の作成などにお金をかけるのならば、自分で直接的に投資をすることが大切だとする。また、寄付をしても本当に寄付をしたい人にまでお金が回らず、上の階層でお金がとまってしまったりすることを大変嫌う。

などなど。

アメリカの話だからなのか、富裕層の生活を垣間見る機会がないからか、まったく別世界を見ている気分になる本です。金をいくら使ってもたまっていく一方だと気づく人、アグレッシブに働いて貯めた人の場合は失う恐怖も併せ持っていたりする。そしてクルーザーを買ったり自家用飛行機を買ったり、高級時計を買ったり。食費に年間600万円ほど使ったりと、考えられない行動ばかりしているようだ。

人それぞれ生活、子供の養育などに対する考え方はまったく違う。
ただ言えることは、ニューリッチと呼ばれる人たちが、既存の社会、政治、経済の体制を打ち壊し、また、その行動が批判されるだけではなく回りに影響を与え始めているという事が重要なのだ。