ビジネスの論理―私はいつも限界に向き合い、格闘し、限界を超えて生きてきた。


ビジネスの論理―私はいつも限界に向き合い、格闘し、限界を超えて生きてきた。

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書評/ルポルタージュ

もろもろの書評が遅くなりつつあり、大変申し訳ないのだが、TACのCEO斉藤博明氏の自伝といったら言いのだろうか、「ビジネスの論理―私はいつも限界に向き合い、格闘し、限界を超えて生きてきた。」を読了したので、ここに書評を書く。

まず本書で一貫して読み取れるのはCEO斉藤氏は苦境に立たされても、決してあきらめず、会社または自分の人生を輝かせるために走り続けているということが言える。その性格は学生の頃の経験から引き継いでおり、なお現在に至るまでその姿勢を崩すことはない。

ビジネス書のようなノウハウ本では全くなく、常に状況とその時の対処方法が事細かに述べられているが、読んでいると斉藤氏は過去の女性を忘れられないのかな?とか、どんな苦境でも最善を尽くし、そして成功した!という何か目立ちたがりな性格なのかな?という思いが色々と出てきてしまった。また、前半で述べられていた内容が、後半になって再度出てくるという構成になっており、「あれ、これ読んだ内容だ」などと思うことがしばしば。その点で新鮮味を感じなかった。

会社の経営、また人生に関し、斉藤氏は失敗というものをしていないのだろうか?

TACがつぶれそうになったことや、公認会計士試験に何度も落ち、最低限の生活を送っていたことは、もしかしたら失敗なのかもしれないが、本書ではその状況下でも最善を尽くしてきたことが述べられ、恐らく本人は相当の苦戦を強いられてきたのであろうが、それ以上に、その時の判断そして結果がすべて最高のものとなっているぞ!という自信と、自分の考えは間違っていない!という気迫さえ感じられる。

そんな書である。
ビジネス書のようにすぐに読めるような本ではなく、自伝のような本はあまり読んだことがなかったので、最初はかなりとっつきにくかったが、なんとかゆっくりでも読むことができた。彼から学ぶことは唯一つ、アントレプレナー精神というものであろう。それは元々の性格などに起因する部分が大きいのかもしれない。

しかしながら、ビジネス書のノウハウなどをもっと有効活用することにより、その精神は育てられるものであると信じている自分がいる。本書のサブタイトルであるように“限界を超えて”生きていくことが重要だと教えてくれる書であった。