フューチャリスト宣言


フューチャリスト宣言


フューチャリスト宣言

  • 梅田 望夫 (著), 茂木 健一郎 (著)
  • 出版社:筑摩書房

本書を半分ほど読んでいるときは、本書のタイトルである「フューチャリスト」という言葉は頭の片隅にも存在せず、内容をさらさら読んでいたのであるが、半分以降、特に後半に行くにつれて、この「フューチャリスト」という言葉の意味やその重要度を認識させられた。

本書を読み、フューチャリストとは。。。という部分を何度か考えさせられたが、私なりに本にボールペンでメモした内容を箇条書きで書き出してみると

  • フューチャリストとは、「未来志向」という簡易で曖昧な、そして抽象的なものという理解では浅すぎる。本来のあるべき姿を追うことや、あるべき姿を考えることにより湧き出る「怒り」から発生する未来志向である。(P.133 「「怒り」が大事」の節を読んで)
  • フューチャリストは、人をワクワクさせる人である。(P.171 「「もうひとつの地球」とは」の節を読んで)
  • 茂木さんはフューチャリストであると感じた言葉「他人にぜったいバレたくない、一番の弱点のところって、乗り越えたいと思いません?」(P.205)

フューチャリストと一言で言っても、レベルは様々。ウェブの技術に的を絞ることも可能であるし、茂木さんの言葉のように、人生に対してでも良い。しかし、共通していることは人をワクワクさせるということではないか。

真のフューチャリストは、現実離れをした未来を語るのではなく、内容が具体的であり、その言葉から未来を想起することが可能な、わかりやすい言葉で未来を語る人なのではないか?と考えた。

そしてまた、この本に惹きつけられている自分がいた。

 今、梅田さんの「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」を読むと、おそらく以前とは全く違う印象を受けると思う。「ウェブ進化論」でもまた、内容に惹きつけられ、非常に魅了させられたが、その原因は梅田さん自身がフューチャリストであるからではないか?と感じたからである。今読むと、その明確な未来を想起し、サービスを利用したいと思い、また、そのサービスを利用して自分は何をしようかと考えはじめるかもしれない。

そのフューチャリストという姿勢を再度考察するために、本書を再読することも有益かもしれない。


<メモ>
・「とんがっていいんだよ」ということが、最近では感覚としてはみんなに受け入れられている(P.119)

ギークやナードのコモディティ化(P.124)

チープ革命からフリー革命へ? もしくは、 チープ革命という言葉ではなく、フリー革命というべき?(P.158を読んで)

・プロフェッショナルの定義というのは、自分のやっていることに快楽を感じる人。しかも、生物学的に単純な快感じゃつまらない。そうではなくて、仕事とか勉強とかをいくらやっても飽きない人。(.199)