行動と成功体験

成功体験はいい面と悪い面がある。

成功体験を積み重ねる事で自信がつくが、同時に悪い習慣であっても成功体験が積み重なる事で同じ過ちを繰り返してしまう。

自分の望む習慣をつけるのも、自分の悪い習慣を身に付けるのも成功体験の積み重ねなのではないだろうか。

今、悪い習慣を捨て、いい習慣(望む習慣)を身に付けようと思うならば、通常の成功体験よりも大きな体験が必要となるだろう。

特に全く同じ結果を招くものに関しては。

私の場合は、コツコツと何事にも取り組む事がなく、場当たり的に片付けてきたという悪い習慣がある。その習慣も、もちろん場当たり的な対応でどうにかなってしまった部分があることは否めず、その成功体験の積み重ねが今の習慣を作り出している。また、たちの悪い事に、それを自分の性格だと誤認しているのである。 成功体験の反復は、記憶や行動を強化する。強化された行動は次の体験、次の行動へと結びつく。普段の日常において、どんな小さな事であってもその繰り返しであろう。また成功体験と同様に、失敗体験に関しても同様で、どんな小さな失敗体験であっても、その体験を通して記憶が消去されたり、行動の抑制に繋がる。その繰り返しが複雑に絡み合って、自分の性格なんだと認識するのではないかと思う。

自分のこの性格を変えたいと思ったときには、新たに成功体験を積み重ねる必要があるだろう。小さい成功体験の積み重ねも必要だが、一度板についた行動を変えるには、大きな成功体験が必要だ。私の場合、ある場当たり的な行動の結果、例えばテストに合格するという体験と、コツコツやった結果としてのテストに合格。この2つは結果としては全く同一なわけで、これだけでは大きな成功体験とは言えず、元に戻る事は間違いないだろう。同じ結果を得るには、なるべく最小の努力によって達成したいと思うからだろう。それはこのケースだけではなく、ルーチンワークにしても大変なプロジェクトにしても、効率を求めるのは必然のことだろう。

結果は全く同じでも、どうすれば大きな成功体験となりうるのだろうか。

まず考えなければならないのは、テストならばテストに合格をした際に何をしたのかを考える事だと思う。何もしていなかったのであれば、成功体験による報酬として何か行動を起こしてみる事が重要となるかもしれない。それを強く求める事により、次の目標を少し高く設定し行動を起こす事が出来るだろう。私はこのタイプなので、成功体験による報酬を何か考えてみる事が、自分の行動を変えることができるのではないかと考えている。また、目標によっては成功した後に尊敬する上司等へ報告をしたいという欲求があるので、それを報酬の役割としてとらえてみても面白いのではないかと感じる。

ただ、それでもまだ弱いと感じてしまう。もっと強い体験を考えなければ、自分の行動や性格というものは変えられないのかもしれない。

また、成功などの結果はなるべく早くフィードバックする方が効果がある。子供の教育現場においても、簡単なテストをやってすぐに結果を返してあげる事で、新たな動機付けが生まれ、次の行動へと結びつく。一部の学習塾では、これをうまく取り入れているところがあると思う。この方法は特に子供への影響が強いと思うけれども、大人といえどもなるべく早くフィードバックをする事によって、モチベーションが下がらずに次の行動へ移せるのかもしれない。

成功体験、成功報酬と動機付け。そんな事を考えてみた。