United 93

昨日のゲド戦記に続き、今日は「United 93」を観てきました。
米国の9.11事件の映画だけれども、この映画をみて、再びいろいろと考えさせられた。実際にWorld Trade Center に飛行機が突入する映像をテレビで見ていたのだが、改めてその映像を見て、非常に悲しみを覚えた。映画自体は墜落した4機のうちの1機を追いかけている。そして、次々とハイジャックされる飛行機を前になすすべのない人々や混乱した情報、動けない軍、そして動かない政府が描かれ、休む暇なく事件、事件と続く。見ていると疲れる映画ではあるけれども、この映画を見て、他に考えることがあるのかなぁと思う。それは人により様々だと思うけれども。

宗教や民族に関して、ほとんど知識はないのだが、なぜこのような事件が起きたのか。なぜ人々は対立をしてやまないのかを改めて考えさせられた。ハイジャックする人も、旅客機に乗っている乗客も対象は違えど、どちらも神に祈る。ハイジャックする人も、旅客機の乗客に罪がないということは知っているであろう。どちらも人である。
自爆テロを行う人は組織の末端の人間であろう。戦闘で負傷する人も組織の末端かもしれない。実際に、組織の末端にいる人々のみが犠牲となり、その犠牲の元に上層部が動き行動を決める。その行動が、さらに末端の人々を死に追いやるか、それとも犠牲となる人をなくすのか。国を憎んでも、人を憎んではいけない。そんな気もする。
国や上層部を動かすには、末端の事件が必要なのだろうか。末端の犠牲が必要なのだろうか。暴力が暴力を生み、止まることがないことは誰もが知っているはずだが、自分が犠牲となることを知らなければ、どんな命令でも出せるのであろうか。止まることのない暴力の連鎖。連日のようにニュースになっている。誰も止めるすべを知らない。