最強の集中術

最強の集中術
最強の集中術
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ルーシー・ジョー・パラディーノ
エクスナレッジ
売り上げランキング: 774
おすすめ度の平均: 5.0
5 文句なし!

集中術(Focus Zone)とタイトルに入っているけれども、本書では最も適した精神状態で作業を行う方法が書かれている。自分の意欲レベルが高すぎても低すぎてもベストパフォーマンスは得られない。最適な意欲レベルである所謂「フロー」や「ゾーン」といわれる状態に持っていくことでベストパフォーマンスが得られるため、いかにフロー状態へもっていくかという方法論が書かれた良書である。自分の目標の見つけ方という点においても一読する価値がある。
最適な意欲レベルを得るためには、まず自分を知ることから始まる。本書では「心の番人」と呼ばれているが、要するに自分を客観的に見て、今の自分の状況を把握することが重要となる。「番人は批判、指図をするのではなく、自分のありのままの感情、思考を教えてくれる」
その後、自分のタイプを見極め、様々書かれている方法論のうち自分にあっていると思われるものを選択すればよい。私の場合は何でも物事を先延ばしにしたくなる気持ちがあるので先延ばしの根となっている不安要素の認識や先延ばしにすることのデメリットをよく考える必要がある。また、意思表示を怖がり、相手に物事を先延ばしにすることで本当はやりたくないという気持ちを態度で表現しているのではないかとも考えさせられた。

意欲レベルが過剰な状態となっている場合、自分を客観的に見ることが出来ず怒りの感情などを招きやすい。また意欲レベルが低すぎると自己批判などの感情が生まれやすい。私の場合最適な意欲になる事が少なく、両極端を行ったり来たりしていることが多い。さらに言えば、過剰となっていることは少なく、多くは意欲レベルの低い状態が続いていると考えられる。所謂ニートと呼ばれる人達もおそらく意欲レベルの低い状態が続いており、例えばオンラインゲームやインターネットで面白いネタを探している時間、または絵を描いている時間は意欲レベルが過剰となっているのではないかと感じる。「自分の失敗を冷静に受け止め、素直に認められるのであればゲームをしている状態でもフロー状態となっている」と本書に書かれているので、場合によってはフロー状態となっているのかもしれない。そんな場合、本書の中でも目標に関する中盤以降を読んでみると良いかもしれない。「この道には心があるか?」と常に問いかけ、"心ある道はお前を強くするが、心なき道は力を奪う"という言葉を心に留めて欲しい。
また、目標に意味があるのかどうかを以下のリストに照らし合わせ、本当に心ある道かどうかを眺めて欲しい。

  1. 自分お強みを活かした目標か
  2. 本当に自分の目標か?他人の期待に応えようとしていないか
  3. 実現できそうな目標か
  4. その目標を本当に信じているのか
  5. その目標を卒業していないか

本書では、精神的なことのみならず、最終章では肉体的な話まで話が広がる。それは「健康」についてだが、カフェインやアルコール、睡眠などの生理的現象を科学的に分析し、科学的な観点から私たちは一体どのようにすべきなのかが書かれている。健康に関して、私は結構おろそかにしている部分があるので少しは参考にしたい。
ぜひ本書でベストパフォーマンスを手に入れ、仕事、生活ともに豊かなものとしたい。また、「ながら作業」は集中力を落とすと考えていたが、使いようによっては自分の意欲レベルにとって役立つものだという著者の指摘も支持したい。