フォーサイト 11月号

フォーサイトを定期購読して久しいけれども、大体読み終わったので、少しネタでも。

今回の号では、やっぱり資源関係の話が印象的ですね。石油とかウランとか。
ロシアが資源やインフラ関係会社をどんどん国有化しているのは、しばしばニュースに登場する。国有化した会社の社長は年に一度、プーチン大統領に決算報告を行うという。つまり実際の支配は大統領が行って、各社の社長はプーチン大統領に従えばいいという話のようだ。

新興国が急速に成長するとともに、資源の値段が上がっている。通常、値段があがれば代替物が出てくるものだが、石油を含め、多くの資源ではそううまくは言っていない。代替のものがなかなか出てこないため、資源の生産国では値段が高騰しても特にそれを問題視しようとはしない。

石油は本誌に書いてあるアナリスト見解だと、1バレル30〜40ドルが妥当ラインだという。実際、石油があと○年で枯渇するといった話は昔からあるけれども、あれは石油の価格を上昇させるためだけじゃなかったのか?と思っている。実際にどれくらいで枯渇するという数値は誰にもわからない。少なくとも、現在言われているものとは相違しているはずだ。

また、資源を保有している国の有利性が見え隠れしている。たとえばオーストラリアはウランを外交手段として使って、ロシアと組むだけではなく、インドや中国などの新興国と協力関係を結び、国際的な力をつけようとしているようだ。オーストラリアでは、温暖化防止のための原子力発電が国内で支持され始めている。日本でも目標を達成するため、政府は原子力を推進しプルサーマル計画を遂行したいと考えている。

日本では、まず原発=危ないという構図が出来てしまっているので、原発を作るだけで大変な状況にある。国際的に見ると、ちょっと不思議なものに写るらしいが、この構図は政府が作ってきたと言っても過言ではないかもしれない。今まで事故や事件がまったくないわけではなく、その事故や事件も天災によってもたらされたものではなく、ずさんな管理が生んだものだったからだ。

資源を保有している国は、価格が上昇しても代替エネルギーにそれほどシフトしない事を学んだ。動きはあるけれども、急激な変化はなく、むしろ新興国の台頭により、消費量が増えているほどだ。だから、価格の上昇に何も手を打たず、傍観しているような状態、そして資源によって富を得ている。

これからも、資源を中心とした外交は行われるだろう。この日本のような資源のないと呼ばれる国は不利に立たされるかもしれない。ロシアのように企業が国有化されると、民間企業同士の話し合いではなく、政治・経済が絡んでくることになる。
我々としては、国際的な動きをよく見ることが求められているのかもしれない。